痴漢事件・・
東京の電車内で女子高生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われ、1、2審で有罪とされた防衛医大教授、名倉氏の上告審判決が14日、最高裁第3小法廷でありました。
同小法廷は、「被告が犯行を行ったと断定するには合理性に疑いが残る」と述べ、懲役1年10月の実刑とした1、2審判決を破棄、無罪を言い渡し、名倉氏の逆転無罪が確定しました。
以前から痴漢事件では、被害者の供述以外に有力な証拠がないことが多く、真相を見極めるのが困難という問題点がありました。
最高裁は「被害者がその気になれば『具体的で詳細な供述』をすることは困難ではない」と指摘し、「供述を補強する証拠があるかどうか」を吟味するよう求めました。
物証が少ない痴漢事件でも、「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の原則を徹底するよう求めた結果となりました。
法律解釈を示すのが主な役割の最高裁が、今回の判決のように、事実認定のあり方について一般論を述べるのは極めて異例です。
名倉氏も「胸のすく思いだが、同じように犯罪者の汚名に泣く人々や家族を思えば、有頂天にはなれない」と述べています。
痴漢被害者の供述が偽りとは言いませんが、客観的な補強証拠の収集が行われずに、供述だけで刑罰が確定してしまう恐ろしさを思うと、他人事ではなく、この判決が痴漢えん罪で泣いている多くの人にも生かされる事を願ってやみません。
