離婚問題とは
「この人と一生、一緒にいたい!」と思ってスタートした結婚生活、でも何らかの理由で、二人の結婚生活にピリオドを打たなければならないときもあります。
最近、日本における離婚件数は、増加の一途をたどっています。(殊に30代の夫婦の離婚が顕著:厚労省人口動態統計)すでに「離婚」は市民の日常生活において、ごく普通のことであると受け止められているともいえます。
しかし、昔から「離婚するのは結婚する数倍大変!」と言われているように、離婚の際には「子どもの問題」「金銭の問題」「戸籍の問題」など、最低限決めておくべき事がたくさんあります。これでは「離婚」を前向きにとらえて、新しい人生を考えようというときに困ってしまいます。
私は行政書士という地域に密着した「法律実務の専門家」として、財産分与や氏の変更手続、離婚協議書の作成、養育費や慰謝料等を盛り込んだ公正証書の作成などを通して「離婚」に関する法的手続にかかわってきました。 離婚に際して、何を決めておかないといけないのか、どんな手続を踏まないといけないのかといった事について、多くの人が法的知識を持たないために、後で「泣き寝入り」しているのが実情なのです。
離婚の手続とは
離婚届は簡単に書けます。出すのも簡単です。出した瞬間に、驚くような早さで離婚は成立してしまいます。
「お金も財産も何もいらない、一刻も早く離婚したい!」というあなたの気持はよく理解できます。
でもその前に、少し離婚後のことも考えて見てください。
3年後、7年後、後悔しないために・・・、あなたの幸せな10年後のために・・・。
1. 離婚の種類
日本の離婚の90%以上は「協議離婚」です。夫婦が話し合いで離婚する場合には、市町村役場に離婚届が受理されたときが法律上の離婚成立日になります。(創設的届出)
但し、夫婦に未成年の子がいる場合は、親権者を定めなければなりません。
日本の離婚の約8%が「調停離婚」です。当事者同士で話し合いがつかない場合、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てます。調停員を交えて話し合い、話し合いがまとまれば調停は成立し、その時点で離婚は成立します。調停員は、双方の話を聞き、中立的な立場で助言をします。また、調停はこれからどうしていくのかを話し合いで決めていく場でもあります。
但し、調停が成立しても離婚が戸籍に反映されないため、「調停調書」の謄本を添付して、市町村役場へ提出する必要があります。(報告的届出)届出は申立人がするのが一般的です。
調停の結果、調停離婚する合意には至らなかったが、裁判所の判断であればこれに従う可能性が高いなどに、裁判所は離婚の審判を下すことがあります。(家事審判法24条1項)
この手続が行われることはあまりありませんが、審判確定の日が離婚成立の日となり、市町村役場に報告的届出をすることになります。
「判決離婚」は全ての離婚の1%以下です。離婚請求訴訟において裁判上の和解による離婚も考えられない場合、裁判所は法律の定める離婚原因に照らして、最終的に離婚請求を認めるか否かを判断することになります。
判決において離婚が認められた場合、判決の確定の日が離婚成立の日となり、市町村役場に報告的届出をすることになります。
2. 離婚後の手続
婚姻により氏を改めた者(通常は妻)は原則、婚姻前の氏に戻ります。しかし、婚姻成立の日(協議離婚のときは届出日、調停離婚のときは成立の日)からそれぞれ3ヶ月以内に届出をすることにより、婚姻中の氏をそのまま称することができます。(戸籍法77条の2)
但し、この期間を過ぎた場合には家庭裁判所の許可が必要です。
離婚届で婚姻前の戸籍に戻るか、新に戸籍を作るかを選ぶことができます。新規編製の場合には任意の本籍地を選ぶこともできます。
両親の離婚後、子はそれまでの戸籍にとどまります。(親権者が父または母であるかを問いません。)そのため、離婚時に新戸籍を編製した方の親がその戸籍に入籍させたいときは、親権者が家庭裁判所に「子の氏の変更許可の審判申し立て」をして、裁判所の許可を得る必要があります。
※ 母または父が婚氏続称(離婚後、氏を変えない)の場合もこの手続が必要なことに注意!
離婚問題の解決の流れとは
一口に「離婚」と言っても、精神的・身体的スタミナが非常に必要な作業であることは事実です。でもそんなときになんでも相談できる相手がいれば、どんなに心強いでしょう。
「伊橋行政書士法務事務所」では、そんなあなたの「離婚」に対する不安を少しでも取り除けるように、全力でトータルサポートしています。また「子どもの権利を保護したい」とも考えています。
離婚=弁護士というイメージを持っていたかもしれませんが、実際は話し合いで解決する「協議離婚」が殆どです。また弁護士は裁判での紛争解決という難解で時間のかかる業務をしているため、一般に着手金や報酬が高額になります。
① 生活費を確保する
経済的弱者(決まった収入を持たない者)が離婚交渉中に経済的に困らないよう、夫または妻からの婚姻費用(生活費)の支払が途絶えたら「内容証明」で請求し、それでも支払わないようであれば、迅速に「婚姻費用分担請求の家事調停」を申し立てましょう。
② 離婚届不受理申出
離婚したくない場合、知らない間に相手が離婚届を出してしまわないようにするための手続。市町村役場の戸籍係に「不受理申出書」を提出します。6ヶ月間有効ですが、必要があれば何度でも提出(延長)できます。不受理が不要になったときは、届出人から「不受理申し出取下書」を提出します。
③ 配偶者の暴力からの保護
配偶者から、生命または身体に危害を及ぼすような具体的暴力や激しい言葉の暴力などを受けている者は、早急にシェルター(被害者を隔離して保護する施設)への保護や裁判所に「保護命令の申立」をする必要があります。
「保護命令」は被害者からの申立により、6ヶ月間の「接近禁止」や住宅からの2ヶ月間の「退去」を命じるものです。発令された後の「付きまとい等」については、警察に応援を求めることができます。内縁関係や元の配偶者からの暴力や付きまといも対象となります。
従来、「保護命令」が出されるのは、被害者が直接暴力を受けた場合に限られていましたが、2008年1月の「DV法改正」により、生命または身体に対する脅迫についても明確にその対象となります。
④ 協議離婚の注意点
|
夫婦は、その協議で離婚ができ(民法763条)、離婚届の受理により離婚の効力が生じる(民法765条)が、財産分与、慰謝料、親権者、養育費、面接交渉等、離婚前に取り決めておくことが重要です。 |