コラム
① 「ゆいごん」か「いごん」か?
みなさんは「遺言」という言葉をどう読むのでしょう?
多くの方が「ゆいごん」でしょう。どうしてそんなことを聞くのか?と思われるかもしれませんが、私たち法律家は「いごん」と読んでいます。
人生最後の文書を子や孫達にあてて、何かしら書き留めておきたい、残しておきたいと考えている方は多いことでしょう。
「兄弟仲良く助け合うように」「体の弱い○○をよろしく頼む」など、人生最後の意思を精神的な意味で書き残しておく言葉を一般に遺言(ゆいごん)とよんでいて、その書状を「遺言状(ゆいごんじょう)」といいます。
これに対して、私たち専門家が仕事として扱う遺言は「いごん」とよびます。
財産を「兄弟には譲りたくない」とか「献身的な長男の嫁さんにも分け与えたい」という一定の法律的効果を意思するのが「いごん」です。
このように精神的なものは「ゆいごん」で、法的効果を目的としたものは「いごん」と使い分けます。
我々専門家がお手伝いするのは、まさに遺言(いごん)ですが、遺言状に付言という形で精神的な意思を伝えることもできます。
② 「相続問題」とはどういう事で起こるのでしょう?
例えば、既に配偶者のいない親が亡くなったとします。
子どもは4名いました。
配偶者がいないので、遺言がない場合は子どもがすべての財産を相続することになります。
相続財産がすべて金銭で1000万円だったとしたら、法定相続分の25%ずつの250万円を4名の相続人がきっちり分けることができるので、トラブルの可能性は少ないと思われます。
しかし、一軒家の不動産だったとしたら、物理的に4つに分けることはできませんから、一つの家をみんなで持つという「共有」となります。
ところが、この共有する形態には問題が隠されています。
最初は兄弟4名の共有ですから、意思の疎通も図られます。
これが孫の代で子供が増え、どんどん共有者が増え続けてくればどうでしょう?
共有者が増えれば不動産の登記手続も煩雑になり、また共有者全員の承諾等も必要になってきます。
ですから、こういった物件は買い手もつくづらく売りにくい物件となってしまいます。
したがって、財産が多い人だけに相続問題が起こると思うのは大間違いで、普通の家庭にも相続問題は十分起こる可能性があるのです。
そこでこのようなトラブルを予防するために登場するのが「遺言」です。
