交通事故後遺障害等級認定手続
交通事故後遺障害等級認定手続とは
当事務所は交通事故によって「むち打ち症」等になった方の自賠責請求とその後遺障害認定手続、又は後遺障害異議申立等を中心に交通事故業務を手がけております。
自動車損害賠償保障法の主務官庁は国土交通省です。自賠責手続きは、行政書士の所管業務です。中でも、後遺障害等級認定手続きは、人身事故(傷害事故)に遭った被害者の損害の全体像を明らかにする上で、最も重要な手続きです。
※ 行政書士(または、行政書士法人)でない者は、業として自賠責手続きをすることができません。違反すれば1年以下の懲役又は50万円以下の罰金にになることがあります。(但し、弁護士を除く)
自賠責保険とは、自動車賠償保障法(自賠法)により、自動車の運行による人身事故の被害者を救済するために、原動機付自転車を含むすべての自動車について契約することが義務付けられている損害賠償責任保険で強制保険ともいわれています。
この保険は、加害者が自動車の運行による 人身事故に限られていますので、車両損害などの「物」の損害は対象になりません。
また、被害者保護の立場から保障制度的な要素が強く、多くの請求を迅速かつ公平に処理する必要から、 定型・定額化された支払い基準 が定められています。
自賠責保険では、当事者が置かれている状況に応じて、「仮渡金請求」 「内払い金請求」 「本請求」という3種類の方法をとることができます。
(仮渡金)
「仮渡金」は、賠償金の支払いを受ける前に、当座の費用が必要な被害者がまとまったお金を受け取ることができる制度で、被害者のみが請求できます。
医師に診断書(入通院の見込み日数の分かるもの)を書いてもらい、請求書とともに保険会社に提出すれば1週間程度で迅速に支払われます。
このお金は、仮に渡されたお金ですから、最終的に決定した金額より「仮渡金」の方が多い場合は、多く受け取った差額分を保険会社に返さなければなりません。もし「無責」(加害者に全く責任がない)と判定された時は、全額返金しなければなりません。
(内払金)
「内払金」は、休業損害や治療費、入院雑費などをそのつど請求する方法で、被害者、加害者どちらからでも請求できます。
ただし、後遺障害や死亡の場合は、内払金の請求はできません。
請求は、損害額が10万円を超えた時点で行なえます。また、損害額が120万円に至るまで何度でも請求できます。
しかし、請求のたびに、診断書や診療報酬明細書が必要なので、文書料がかさんでしまいます。
できるだけまとめて請求する方がよいでしょう。なお、先に仮渡金を受け取っている場合は、受け取った仮渡金からさらに損害額が10万円を超えないと請求できません。
内払金の支払いは、請求から支払いまでに約1ヶ月かかります。
(本請求)
「本請求」は、治療がすべて終了した段階で請求する方法です。
損害額を合計し、今までに受け取った「仮渡金」や「内払金」がある場合、差し引いた残りが支払われます。
本請求は、請求から支払いまでに約1ヶ月かかります。
| 相談者の方に経過診断書または後遺障害診断書を持参していただいていますが、約8割の方に次のような傷病名が付いています。 |
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いわゆる、「むち打ち症」です。
そして、その症状の出方も被害者によって様々で、大体、次のように分類できます。
- 頸の痛み、シビレ
- 頸の運動制限
- 上肢の痛み、シビレ
- 上肢の知覚障害、握力低下
- 頭痛
- めまい、ふらつき感
- 吐き気
- 耳鳴り
- 眼のちらつき、かすみ、眼精疲労
- 倦怠感
これらの症状が治療によって治ればよいのですが、概ね半年以上の治療を継続しても症状の改善が見られない場合、後遺症ということになり後遺障害等級の認定を受ける事となります。
しかし、これらの症状が後遺障害等級として認定されることは、一般的に難しいと思われています。
「むち打ち症」から来る様々な症状は、それを裏付ける他覚的異常所見に乏しい面もあり、また、数値的に表されるものでもない為、一般的に難しいと思われているのではないでしょうか。
しかし、後遺障害等級認定手続きには、異議申し立て手続きが認められています。
異議申し立てをするにもそのポイントがあるということです。
相談者がご自分で異議申し立てをした時の「異議申し立て書」を見させていただくことがよくありますが、加害者に対する恨みつらみ等を長々と書いているものをたまに見かけます。ほとんど認定には影響が無く、逆に心因的なものから来る症状と判断されかねません。
異議申し立てには客観的な立証の積み重ねが大事ということです。
1.症状固定と後遺障害認定
「症状固定」について、交通事故外傷の補償問題では、完全に治るものであればその期間が賠償の対象となる範囲となります。
しかし、頑固に症状が続き長期化したものについては、どこかで賠償の範囲を設定する必要が出てきます。 そのための便宜的方法が、症状固定と呼ばれるものです。
医学上で「現在認められている治療法により、3~6ヶ月加療してもその症状に変化が認められなくなった状態を症状固定とする」とのことで、「症状に変化がない」ということは「治療効果がない」ことを指します。
症状固定が設定されれば、賠償金の算定のために自賠責保険の後遺障害認定手続きに入ります。
2.むち打ち損傷と後遺障害等級
いわゆる「むち打ち症」の後遺障害認定は、非該当、14級9号、12級13号に分かれます。
12級は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」で、医学的に「証明可能」なものとされています。
14級は、「局部に神経症状を残すもの」で、医学的に「説明可能」なものとされており、医学的他覚所見や受傷態様及び治療の継続性等を勘案して総合的に認定されるものです。
むち打ち損傷は、XPやCT、MRI等の画像所見による異常が認められる事例は少なく、詐病の疑いもあるため、後遺障害の認定においてはトラブルの多い後遺障害の一つです。
3.医学的他覚所見(他覚症状)と神経学的検査
医学的他覚所見(他覚症状)とは、医師の所見で視触診や画像などで患者の症状や傷害が確認されると他覚症状となり、この他覚症状のことを医学的他覚所見といいます。
画像所見に限られず、 視触診などで患者の症状や傷害が確認された場合も医学的他覚所見といいます。
神経症状があるにもかかわらず、XPやCT、MRI等の画像所見が無い事のみで非該当と認定された場合には、神経学的検査結果を添付して異議申立てをすることが必要です。
交通事故の後遺障害の等級は「自賠責保険会社」が認定します。
自賠責保険は保険料や補償内容はどこの損保会社でも同じですから、変える方はほとんどいませんが、任意保険は損保会社によって、保険料や補償内容が異なりますので損保会社を変えることは珍しくありません。
また、これとは逆に車を買い換える方でも、「任意保険会社は、いつものところ」という方も大勢いますので、 任意保険と自賠責保険が異なる事はよくあるのです。
【被害者の後遺障害等級を認定する自賠責保険会社】
交通事故証明書に載っている加害者欄の自賠責保険関係に記載の保険会社の事です。まずはこの部分を確認しましょう。
後遺障害等級は任意保険会社が決めるのではありません。
認定するのは、あくまでも自賠責保険会社です。
交通事故の被害にあったとき、任意保険会社が後遺障害の認定手続もしてくれますが、認定を下すのは自賠責保険会社です。
手続の窓口が任意保険会社になっているだけなのです。
後遺障害の認定結果をお持ちの方は、「後遺障害等級認定票」を確認してください。
自賠責損害調査事務所から認定を下す自賠責保険会社及び手続の窓口である任意保険会社に宛てた内容になっていると思います。
● 医師は後遺障害等級の認定手続にどのように関与するのか?
医師は、医師として医学的な証明をするだけです。
医師が自賠責保険の後遺障害認定の手続ですることは、後遺障害診断書や意見書を書いたりすることです。
医師が後遺障害等級を決めるわけではありません。
医師が「後遺障害ではない」と言っていても、後遺障害の認定申請をすれば等級が認定される事も良くありますし、逆に、お医者さんが「12級ぐらいは獲れるはずだ」と言っていても非該当になることもあります。
● どのように決定されるのか?
後遺障害等級認定に必要な調査は「損害保険料率算出機構 自賠責損害調査事務所」がします。
自賠責保険会社は後遺障害等級の認定をするだけで、具体的な調査はしていません。
自賠責保険は、保険会社が異なっても保険料・補償が同じ内容の強制保険ですので、自賠責保険会社によって認定される等級が大きく異なるようなことは許されません。
そして、自賠責保険に関する調査は、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所が行うことになっています。
表向きは自賠責保険会社は、この事務所の調査に基づいて認定を下すわけですが、実務では自賠責調査事務所が後遺障害認定票と認定理由まで作成していますので、ほとんど自賠責調査事務所が認定しているようなものです。
【まとめ】
交通事故の後遺障害等級は、医師の「後遺障害診断書等」を基に「自賠責損害調査事務所」が調査して、この調査結果を基に「自賠責保険会社」が認定 を下します。
後遺障害の手続きで知っておきたい事は
(1)医師に後遺障害診断書を書いてもらわないとはじまらない事。
(申請しないと認定されない)
(2)等級の調査・認定手続に任意保険会社を関与させないことも出来る事。
(相手方の損保会社は加害者の代理人である。直接自賠責保険に請求できる。)
(3)後遺障害等級の認定に不服があれば、何度でも異議申し立てできる事。
【むち打ち等による後遺障害等級認定と自賠責保険請求についての相談】
自賠責手続きの専門家、後遺障害等級認定手続きの実務家としての行政書士が業務を遂行します。
<相談のタイミング>
- 保険会社に後遺障害の手続きをしてもらったが、結果について疑問や不服があるとき
- 保険会社に治療の打ち切りをされたとき
- そろそろ症状固定をするようにいわれたとき
- 保険会社から、後遺障害診断書を先生に書いてもらうようにいわれ、用紙をもらったとき
